発達障害 生きづらさを抱える少数派の「種族」たち

　医学的な正確さを担保したいと考えているのかもしれないが、外部の視点から発達障害を語ってるように見受けられ、発達障害の当事者としては、定型非定型の内面の心的・神経的プロセスに踏み込んだ社会的支援策や処世術について知りたかったので、物足りなさを感じた。特に、ASD、ADHDの共感性について、私は当事者として現在の医学的定説に強い疑問を抱いているので、その辺りに深く踏み込んで欲しかった。例えば、非定型の方のブログなどで主観的な体験が述べられている場合などに対して、私はとても「（日常語としての）共感」を感じることが多かったが、本書ではそれを感じることが少なかった。とは言え、現在の医学的な標準診断基準に拘ることなく発達障害に向き合う姿勢には「共感」しました。また、障害が重複していると、それぞれの障害が小さくても困難が大きくなる場合がある、という点については、（ASD、HSP傾向が強く、ADHD、LD、PTSDもある）私自身が感じていたことなので、とても良かった。 まだ脳機能については分からなことが非常に多いと思います。 近いうちに現在の医学的定説が修正され、私の疑問が解ける日が来ることを期待します。

非常にわかりやすく、対人関係に役に立ちました。