小さな民のグローバル学 共生の思想と実践をもとめて

共生の思想と実践をもとめて 甲斐田万智子 佐竹真明 上智大学出版 ぎょうせいチイサナ タミ ノ グローバルガク カイダ,マチコ サタケ,マサアキ 発行年月：2016年01月 ページ数：390p サイズ：単行本 ISBN：9784324099445 第1部　小さな民の生き様ー民衆生業と移住（観光という日常ーバリ島の小さなホテルで働く人々／民衆生業の社会経済圏ーインドネシア・ソロ地方出身のジャムー売りの世界／移動する朝鮮族と家族の分散ー国籍・戸籍取得をめぐる「生きるための工夫」／四国の山村における国際結婚ーフィリピンからの「小さな民」の生き方）／第2部　人権と援助ー少女・先住民・地域住民の声（少女に対する暴力ー「伝統」に挑む権利ベース・アプローチ／“他者”との共存を求めてーフィリピン先住民族の自己表象／開発と紛争ーインドネシア・アチェのODA事業による土地収用と住民の周縁化／「普遍的価値」と「人間の安全保障」ーODA大綱の見直しをめぐって）／第3部　モノからみる世界と日本ーグローバル化と民衆交易（コーヒーから見える世界ー東ティモールのコーヒー生産者とフェアトレードを考える／インドネシア・パプア州でのカカオ民衆交易ー共に生きる関係を目指して／グローバル市場とフェアトレードの課題ー南米コロンビアの伝統的金採取業の挑戦と挫折）／第4部　海の民の豊かな世界ー国家と国境の向こうへ（海民の社会空間ー東南アジアにみる混淆と共生のかたち／ひとはいかに海を利用してきたかー海域東南アジアの海民社会から考える／フィリピンとマレーシアのあいだの海域世界ースル諸島ムスリム社会の周辺化と自律／海民と国境ータイに暮らすモーケン人のビルマとインドへの越境移動） 本書の主役は、権力や富もなく、多国籍企業の物質主義、消費文化に生活圏を侵食されながらも、伝統的な相互扶助のネットワークと助け合いの文化を土台として民衆生業で支え合い、したたかに現実を生きる人々である。かれらの生活実践や生産活動から、それぞれの地域におけるもう一つのグローバル化や、国家によらない共生のかたちを探る。 本 人文・思想・社会 社会 社会学 エンタメ・ゲーム サブカルチャー