火車 改版/新潮社/宮部みゆき（文庫） 中古

思っていたより、全然美品で嬉しく思いました！ 商品発送も敏速でたいへん嬉しく、ありがとうございました

一週間以上経ってもまったく商品が届かない。 店舗とも連絡がつかずメールでの対応もしない！ 最低な業者！ 絶対に買わないほうがいいです。

梱包は、念入りにされていてとても綺麗な状態でした。ありがとうございます。

この作品は、一人の不幸な女性が過去を棄てて新たな人生を手に入れようともがき、這い上がろうとする姿が描かれています。女性ならではの「綺麗になりたい」だとか「お金持ちになりたい」といった安直な願いではなく、その日を「生きていく」為だけに必死にこの世界にしがみついている。その為に彼女は禁を犯してしまいますが、安易に「犯罪者」と彼女を罵ることは出来ません。それは、彼女の今まで生きてきた人生が、あまりにも過酷で残酷だから。彼女の過去を知れば知る程、彼女への憐れみや、死にたくなる程の絶望から這い出そうとする彼女の姿に、生物としての尊厳すら感じます。作中で彼女の父親の生存確認をするシーンがありますが、彼女が心ならず漏らしてしまう「お願い、死んでいて！」という言葉には、彼女が今まで歩んで来た人生が如何に重く悲しいものであったかが窺い知る事が出来るでしょう。まるでジグソーパズルをしているかの様に、一つ一つのエピソードが終焉に向かって嵌め込まれていく様は爽快ですらあり、見事としか言いようがありません。読み応えは充分にあります。重い内容ながらも、読後は静かな感動にただただ、深く大きな溜め息が出る事でしょう。