安彦良和 複製原画『クラッシャージョウ』

原作・高千穂遙氏のSF小説『クラッシャージョウ』シリーズの挿絵を、連載当時より安彦良和氏が担当しています。
日本のスペースオペラを代表する本作は、83年に初監督として同氏が映画化しています。
宇宙を股に掛けて冒険するジョウ達の姿は、ガンダムとは違った面白さがあります。

版画制作技法は、シルクスクリーンやリトグラフと並ぶ「ジークレー技法」（仏語で「吹き付ける」の意）に、色調整技法を融合させた凸版印刷「プリマグラフィ」を用いています。
専門オペレーターのもと、印刷ではなく微細なインク滴を吹き付けることで、紙の風合いを生かしながら繊細なニュアンスを表現できるのが特徴です。

安彦氏は「ガッシュ」という不透明水彩絵具を使い、BBケント荒目かワトソン紙のイラストボードにポスターや表紙などを描いています。
原画と同じ下地を覆い隠すような艶の少ない表面の発色を、凸版印刷の技術により複製原画として再現。氏の描くイラストの柔らかさ・繊細さ・ダイナミックさを細部まで確認できる貴重な作品です。

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