鹿児島県史料　旧記雑録拾遺神社調四　鹿児島県　県史料　歴史　　黎明館　2024年度　令和6年度

　　「神社調」は、薩摩藩の領域であった薩摩・大隅・日向諸県郡の寺社の由緒・関係文書・歴代住職名などを郡郷ごとに編纂したものです。『神社調四』には、以下の地域に関する内容を収めました。 （1）「薩摩国之部十二」伊作・阿多・田布施 （2）「薩摩国之部十三」田布施・永吉・吉利・日置・島方・琉球 （3）「大隅国之部一」蒲生・重富・帖佐 （4）「大隅国之部二」加治木 （5）「大隅国之部三」国分之上 （6）「大隅国之部四」国分之中 本巻では、島津氏に関する様々なエピソードも紹介されています。忠良（日新斎）の生家・伊作郷や義久・義弘の隠居地などが登場し、帖佐郷では歳久の菩提寺建立と殉死者供養、国分郷では義弘の長男・久保の愛猫を祀る猫神大明神が語られます。さらに、義久三女・亀寿が寺を再興し、父母を厚く供養したことも記されています。 ほかにも、古歌に詠まれた名勝地として、国分郷の「気色の杜」や「奈毛木の杜」が紹介され、西行や細川幽斎といった著名な歌人の和歌も多数収録されています。