Mathematics competitions「競技数学への道」vol.2組合せテキスト1冊＋解説DVD4枚

　数理哲人講義録シリーズに「競技数学への道」が加わることになった。競技数学とはどのような概念であるのか。私は中学生・高校生が学ぶ数学について，学校数学・受験数学・競技数学という分類をしている。学校数学は文部科学省が，受験数学は出題する学校が，それぞれイニシアティブを握っている。いずれもカリキュラム（学習指導要領）をもち，成績・単位認定・合格と不合格・入学者としての地位などが賭かっているという点で，受験者の社会生活に影響をもつ。これに対して，数学オリンピック大会を始めとする数学コンテストの類を総称する「競技数学」では，受験者を縛るものは何もない。ただ名誉を賭けて闘うのみ。実に自由な闘い（ルチャ・リブレ）なのである。 　vol.1〜vol.4の講義は，日本ジュニア数学オリンピック大会（JJMO）の過去問を素材とし，数学格闘家として最高峰を目指す第一歩となるような経験を積んでもらうものである。最高峰を目指すにふさわしい撮影場所として，富士山二合目（標高1,600m）を選定した。世界文化遺産への登録ともタイミングが合う収録となった（2013年収録講義）。