エドワード・ネルソンは1964年『Feynman integrals and the Schroeinger equation』、および1966年『Derivation of the Schroedinger Equation from Newtonian Mechanics』において数学の現代的な確率論を数理物理学に応用する研究を行った。これらの論文は、1個の量子である1電子運動を古典力学の形式を用いてランダムな確率場の揺らぎの中の運動とみなすことから1電子の量子力学を構築可能であることを証明した画期的論文である。すぐにネルソンはこれらの研究に関する講義を行い、それを一冊の本にしたためた。それが本書である。